しずえとの運命的な出会い(あつ森ストーリー)
「しずえええええええええええええええ!!!!!!!!!」
朝起きたら私は叫んだ。
あのしずえさんがこの島にやってきたのだ。
信じられなかった。
また、あのしずえさんに会えるなんて思ってもみなかった。
私は以前、別の場所で村長をつとめていた。
その頃、私を一番支えてくれたのはしずえさんだった。
コトブキなんていう老害もいたが、彼は空気のような存在だったため、無視していた。
私としずえさんは意気投合し、村の繁栄を願い、尽力していた。
一緒に噴水も造ったし、一緒にクラッカーを鳴らし合ったりした。
それは楽しい日々だった。
しかし、別れは突然やってくる。
私は、村のことが途中からどうでもよくなってしまい、家に引きこもることになった。
そのまま一歩も家からでることもなく、村長の座をあっけなく明け渡したのだ。
村人は絶句だっただろう。
どこの世の中に村長が仕事を放棄する村があるのか。
絶対に恨んでいるだろう・・・
それから、約7年の月日が経ち、あのしずえさんと偶然再会してしまった。
私は運命としか思えなかった。
あの頃の笑顔のまま、しずえさん、、いや、しずえは私のところに戻ってきたのだ。
しずえに、私が村をほったらかしにしたことについて怒っているかどうか聞いた。
そうしたら、しずえは
なんとも思っていないようだった。
なかったことになっていた。
おそらく記憶がとんでいるのだろう。
安心と心配が入り交じる複雑な感情が押し寄せてきたが、私としてはそんなことどうでもいい。
しずえがそこにいるという事実さえあればそれで。
「今度こそはしずえを独りにはさせない」
そう強く誓った私はしずえの仕事場へ出向いた。
なんかしていた。
一体何をしているのだろうか。
お茶か?お茶でもついでいるのか?
よくわからないが、忙しそうであったため、私は無言でこの場を去った。
この日はこれ以上、特にしずえと話すことはなかった。
しかし、これから話す機会は増えていくだろう。
私は淡い期待を寄せていた。
ここで、伝えておかなければならないことがある。
実は、しずえとは前の村で付き合っていたのだ。
一緒に花火を見たし、一緒に除雪もした。
しかし、今のしずえは記憶がないようだ。
私との思い出も覚えてはいないだろう。
だがこれで良かったのかもしれない。
私は、しずえを裏切った過去がある。
記憶が戻れば、しずえは怒りと悲しみにうちひしがれるだろう。
だからしずえが記憶を取り戻さないように、あまり会わない方が良い。
そう思っていた。
だが、どうやら私は、しずえへの恋心を忘れないでいた。
久しぶりにあったしずえは、私が惚れたあの頃と変わらない笑顔のままだった。
しずえと話したい。
私はその思いを押しつぶすことができないまま、眠りについた。